2010年04月09日

『記紀』の矛盾と『古史古伝』の謎

続いて、日本神話の矛盾について理解しておく必要がある。
『古事記』と『日本書紀』はどちらも同じ日本神話でありながら、神名が違ったり、兄弟の関係が逆転したり、時には兄弟が親子関係になったり、ストーリーそのものが異なっていたりして、残念ながら『記紀』に史実を求めることは出来ない。

img_465418_3643156_1.jpg

その理由や原因について諸説あるが、加治木氏は『黄金の女王・卑弥呼』の中で、最もストレートな答えを出している。

――卑弥呼が実在したのは三世紀。
『日本書紀』と『古事記』が編集されたのは八世紀。
五世紀もたっているから、そのあいだに、次第に今の日本語に近くなっていったことを考えなければならない。
古代の記録は、紙でなく木や竹を削った「木簡竹簡」に書かれていた。
それでも五百年ものあいだには虫やカビに痛められて、書き換えたり、書き写したりして保存されたのである。
だから年月がたつにつれて、なんと読むのか、なんと発音するのか、何のことか、まるで分からないものが次第に増えていった。
『日本書紀』の中の「欽明天皇紀」には「古代の記録には、読めない文字がたくさんあって、兄弟の順番さえ、どれが正しいか分からない。
この『日本書紀』には、とりあえずいい加減に書いておくから、後世の人はよく研究して訂正してほしい」という「割り注=但書・マニュアル」がわざわざ書き加えてあるほどなのだ――


008.jpg

また、『古事記』についても、加治木氏はこう指摘する。

――……それは彼にも本当のことが分からなかったからである。
その筆者は『古事記』の序文を書いた「太安萬呂」だとされているが、その序文にはこう書いてある。
「稗田阿礼が暗唱する古いお話を細かく拾い集めて編集しましたが、昔の言葉は素朴で、それを文章にするのに苦労しました。
そのまま書いても何のことか分からないでしょうし、そうかといって詳しく説明していては、長ったらしくて読みづらいでしょう。
だから便宜上、重箱読みも使うし、「音」だけを万葉ガナで書くこともしたのです」
今、私たちが疑問に思ったことを全部説明している。
彼はヒエダのアレが暗記していた話を、同時通訳して、それを元に『古事記』を編集しただけだったのだ。
だから「アレ」の言葉がなにを意味するか、分からないまま「音」に当て字したものも多かったのである――


middle_1158863273.jpg

『記紀』は、時の権力者(征服者)によって史実を改竄された書物だと主張する学者が多いが、全くデタラメな作り話という訳ではない。
間違っている部分や、意図的に真実が隠されている部分があったにしても、一応は正史だと言えるだろう。
また、『記紀』が編纂される以前の時代、日本の原住民(被征服者)によって書き残されたと考えられる『古史古伝』は、『記紀』と著しく内容が異なる為、偽書として黙殺されているが、この『古史古伝』にこそ真実の日本史が伝えられているとも言われている。

しかし、これにも多くの矛盾があり、『記紀』同様、絶対視する訳にはいかない。
そこで注目されているのが「神社伝承学」である。
これは全国の神社の由来を調べ、それを基に古代史を復元させると、『記紀』とは必ずしも一致しないストーリーが出来上がるというものである。
これは大いに参考にする価値はあるが、現在発表されている「神社伝承学」による古代史が、絶対的に正しい記録とは断言できない。
神仙組では、『日月神示』や「アリオン」が伝える古代史をベースに、『記紀』『古史古伝』、そして「神社伝承学」などを比較しながら検証し、封殺されてきた史実の解明に挑戦していきたい。
posted by 夢蛇鬼 at 00:23| Comment(2) | 邪馬台国と卑弥呼の真相 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
話し言葉や標準語というものが作られたのは明治時代になってからだったと思います。
昔は貴族でなければ、読み書きを習うことはなかったのでしょうし、貴族と民衆では会話自体が成り立っていなかったようです。
誰もが読めなかったことが、逆に古史古伝が温存されることに繋がったのかもしれませんね。
古い記録に書かれたものを信じてみるより他に知りようがないというのは、限界というよりも神慮なのかもしれません。
今やネット内部では、書かれたものさえ信じてはならないという時代なのですから、読み書きの力よりも認識力が重要なのでしょうね。
Posted by オクト at 2010年04月09日 23:17
追加すれば、あとは直観でしょうね〜
Posted by 夢蛇鬼 at 2010年04月12日 12:17
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。