2010年03月27日

ヒッタイト神話と世界の龍退治伝説

バビロニア神話で「嵐の神マルドゥクが龍神ティアマトを殺した」という話があったが、ヒッタイトにも同様の神話がある。

ストーリーを一言で話すと、次のような内容である。

嵐神「プルリヤシュ」と龍神「イルルヤンカシュ」が戦い、龍神が勝利した。
プルリヤシュは計画を立て、様々な種類の酒を瓶に入れて小屋の陰に隠すと、イルルヤンカシュが酒の匂いに惹かれて寄ってきた。
そして、酒を飲み干して酔い潰れたイルルヤンカシュを、プルリヤシュが斬り殺した……。


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どこかで聞いたことのある話だ。
ギリシア神話でも、英雄「ヘラクレス」が贖罪の旅の途中に、アミモーネの沼に住む9つの首を持つ水蛇「ヒドラ」を退治した。
その他、世界中に同様の龍退治伝説があり、『旧約聖書』の中にも見ることができる。

「その日、主は厳しく、大きく、強い剣をもって、逃げる蛇レビヤタン、曲がりくねる蛇レビヤタンを罰し、また海にいる竜を殺される」
(「イザヤ書」第27章1節)

「あなたは御力をもって海を分け、水の上の竜の頭を砕かれた。
あなたはレビアタンの頭を砕き、これを砂漠の民の食糧とされた」

(「詩篇」第74章13〜14節)

旧約聖書を聖典とするユダヤ教では、かつて神に最も近い天使だった「サマエル」が、神に戦いを挑んで地上に落とされて「サタン」になったとされている。

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これと同じ話は「ヨハネの黙示録」でもお馴染みである。

「見よ、火のような赤い大きな竜である。
これには七つの頭と十本の角があり、その頭には七つの冠をかぶっていた」

(第12章3節)

「さて、天で戦いが起こった。
ミカエルとその使いたちが、竜に戦いを挑んだのである。
竜とその使いたちも応戦したが、勝てなかった。
そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった。
この巨大な竜、年を経た蛇、悪魔とかサタンと呼ばれるもの、全人類を惑わす者は投げ落とされた」

(第12章7〜9節)

「私はまた、一人の御使いが、底なしの淵の鍵と大きな鎖とを手にして、天から降ってくるのを見た。
彼は、悪魔でありサタンである竜、すなわち、かの年を経た蛇を捕らえて千年間つなぎおき、そして底知れぬ所に投げ込み、入口を閉じてその上に封印し、千年の期間が終わるまで、諸国民を惑わすことがないようにしておいた」

(第20章13節)

そして、千年期が終わると獄から解放されるが、再び獄に投げ落とされるという。

「すると天から火が降ってきて、彼らを焼き尽くした。
そしてかれらを惑わせた悪魔は、火と硫黄の池に投げ込まれた」

(第20章9〜10節)

旧約聖書の「レビアタン退治」の直接的なルーツは、『カナン神話』でバアルが七つの頭をもつ海の怪物レビアタンを退治することにある。
これらの神話から、嵐の神が悪魔である多頭蛇(竜)を倒した、或いは未来に倒すという物語であることが分かるが、ここに大きな問題が孕んでいることにお気付きだろうか……。
posted by 夢蛇鬼 at 04:23| Comment(0) | 日本人のルーツの検証 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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