2010年03月26日

日ユ同祖論を超える日本人のルーツ

国立総合研究大学院大学のミトコンドリアDNAの研究発表によると、日本人の8割以上は中国人、朝鮮人、アイヌ、琉球人のどれかに近い遺伝子だと言われている。
天皇家のルーツについては「日ユ同祖論」から始まり、「騎馬民族征服王朝説」や「シュメール起源説」等があり、原住民(縄文人)については「南方海洋民族説」や「北方起源説」がある。

前者が日向族(天津神=ユダヤ人)で後者が出雲族(国津神=原住民)だと考えられるが、アリオンによると「日向族と出雲族はパミール高原から出発したアマ族」だという。
アマ族はモンゴル系で、一部はオリエント系だと言われている。
だが、「パミール高原」と「オリエント」と「産鉄民」と「アマ族」をイコールで結び付けるのは難しい。
また、日向族が出雲族を征討して大和朝廷を樹立したようだが、日向族と出雲族は共にパミール高原出身の同じ民族で、イスラエル10支族ではなさそうだ。

王仁三郎によると、「世界人類は富士高天原王朝から広がり、渡来系民族は里帰り民族」だという。
その説に影響を受けてか、「ペトログラフ学」でも同様の仮説を打ち出しているが、シュメールと日本の関係が証明できても、日本からシュメールに移って再び日本に戻ってきたという確たる証拠はない。
王仁三郎説の、富士高天原王朝を築いた古代人も元は渡来系民族(秦氏の祖)であり、その事は「宮下文書」に記されている。

また、イスラエル10支族がスキタイと共に渡来した事はほぼ間違いないが、スキタイはペルシャ人(アーリア系)の可能性が高く、それだけ見ても「日ユ同祖論」という言葉は明らかに不適切である。
要は、古代日本には雑多な民族が渡来しており、一言でルーツを求める事が出来ないハイブリッド民族なのだ。
だが、それで話を終わらせるつもりはない。
矛盾の多い様々な古代史を、私なりに検証して話を組み立ててみた。

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『創世記』によると、ノアの大洪水後、ノアの曾孫トガルマの子孫が住んでいた場所が、西アジアのタガーマ州の古都ハラン(タガーマハラ)だという。
場所は方舟が漂着したアララト山系の麓で、イラク北部からアルメニアの辺りで、ユーフラテス川支流のビンカ河左岸にあったとされている。
その後セム族は、古代バビロニア南部に世界最古の文明であるシュメール文明を築き、メソポタミア北部にはアッカド王国が成立し、メソポタミア地方は、北部のアッカド王国と南部のシュメール王国に分かれた。
(シュメール文明と後のバビロニア文明を併せてメソポタミア文明という)

シュメール王国は青銅器を発明し、ウルク王朝からウル王朝へと続き、紀元前2000年頃、ウルで預言者アブラハムが誕生したが、シュメール王国はアッカド人から度重なる侵攻を受け、アブラハムの父テラは家族を連れて故郷のタガーマハラに帰郷。
そして、アブラハム一家を追って、多くのシュメール人がメソポタミア地方から消え、アッカド人はシュメール文明を吸収し、シュメール人に学んだ楔形文字で粘土板に書き残し、シュメール文明をセム語化して後世に伝えたと考えられている。

アブラハムはタガーマで神の啓示を受け、シュメールの民を引き連れて約束の地カナンへと旅立ち、残ったシュメール人はアジア全域に広がった。
当然、朝鮮半島と陸続きだった日本列島にも入ってきたはずで、これが「日本人シュメール起源説」となっている。
或いは、シュメールの流れを汲むイスラエル民族が古代日本に渡来したことから「日ユ同祖論=日本シュメール起源説」を唱える人もいるが、長い年月の間に民族性は変化する為、この説には納得できない。

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東京皇典講究所や国学院の講師を務めた小谷部全一郎が、著書『日本及日本国民之起源』の中で、「高天原はタガーマのハランである」と発表した。
高天原は一般的に「タカマガハラ」と呼ばれているが、日月神示によると「タカアマハラ」と読むのが正しい。
とすれば、「タガーマハラ」と「タカアマハラ」は、響きが非常に似ている。
『旧約聖書』にはその後、「ヘテ人」なる民族が登場し、アブラハムが平伏している。
イスラエル民族とアラブ民族の太祖であり、セム族の神権を継承するアブラハムが平伏するとは、ヒッタイト人はタダ者ではない。

ノアの3人の息子「セム」「ハム」「ヤフェト」の内、ノアから神権を授かったのは「セム」である。
という事は、 ヘテ人がハム族やヤフェト族だとは考えにくい。
ヘテ人がインド・ヨーロッパ語族のアーリア系という説や、カナンの種族という説もあるが、カナンの地に住んでいた人は全てカナン人と呼ばれる事があるので、「カナン人=ハム族」とは断定できない。

まず考えられる事は、アブラハムがタガーマハラに帰郷した時に出会ったのが「ヘテ人」という事である。
ヘテ人を英語で読んだのが「ヒッタイト人」で、どこからともなく現れてヒッタイト帝国を建国した謎の民族である。
『カッパドキア文書』と呼ばれる粘土版によると、アナトリア高原こそヒッタイト帝国と呼ばれる彼らの国家だったという。
それはシュメールの壊滅と時期を同じくし、突然高度な製鉄技術を生み出し、更にヒッタイト遺跡の「粘土板文書図書館」には、メソポタミアで使われていた全ての言葉が記録されていた。
つまり、ヒッタイト人はシュメール人の流れを汲む民族だったのだ。

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では、シュメールの首長であるアブラハムが、なぜヘテ人(ヒッタイト人)に平伏したのだろうか。
もしかすると、シュメール人を追い出し、シュメール文明を吸収したアッカド人がヒッタイト人なのかも知れない。
が、シュメール王国滅亡後にヒッタイト帝国が誕生し、バビロニアを滅ぼしたことから考えて、やはりシュメール人の一派だった可能性が高い。

戦前、東洋宣教師会ホーリネス教会を指導した中田重治氏も「日ユ同祖論」の提唱者だったが、ヘテ人はシュメール人の一部だったと主張し、シュメール神話と日本神話の関係を追求した石川三四郎氏も『古事記神話の新研究』の中で、直接的な「日本人シュメール起源説」をとらず、メソポタミア文明の媒介者としてヒッタイト民族を置いている。
ヒッタイト人は不思議な力を持ち、イスラエルの地も、アブラハムがヒッタイト人に頭を下げて譲り受けた地である。

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元衆議院議員の黒岩重治氏は『大和民族の発祥』の中で、次のように述べている。
「ユダヤ人の祖先であるヘブライ人は、スメルの奴隷であった。
そして、スメルがヒッタイト族に敗退したとき、スメルの奴隷のヘブライ人は、一部はヒッタイト軍に降伏し、一部はスメルによって解放され、アラビア半島に移ったのである」


天皇を古語で「スメラミコト」と呼ぶが、スメラは「シュメール」の転化だといわれている。
バビロニア語のSUMER(スメル)は「スメ(皇)」「スメラ(天皇)」と同語で、神を意味するラテン語の「SUMMAE(スメ)」とも同系語となり、「ミコト(尊・命)」「ミカド(天皇)」は「ミグト(MIGUT)」の転化で「天降る開拓者」という意味になり、天皇の古語は全てシュメール語で解読できるという。
また、セム(SEMU)をアナグラム(換字変名)で解くと、「S・U・M・E=スメ」になり、スメラやシュメールに通じると主張する説もある。

以上を検証すると、セム族の全神権を継承していたのは「スメラミコト」である。
そして、そのスメラミコトの座はアブラハムではなく、ヒッタイト人に継承されていた可能性がある。
シュメール語で龍を「ウシュムガル」と言うが、ウシュムは「唯一の」、ガルは「偉大な」という意味で権力者を表し、王を意味する「ルガル」のルは「人」、ガルは「偉大な」で、王とは別の「唯一の偉大な龍」がシュメールを統治していたと考えられる。

実際に「製鉄」と「龍」が結び付けられているという事実がある。
だとすれば「ウシュムガル」がスメラミコト(ヒッタイト人)で、「ルガル」がアブラハムだったとは考えられないだろうか。
そして『ギルガメッシュ叙事詩』に登場する歴代の王は「ルガル」だったと考えられる。
いずれにしても、ヒッタイト人は世界最古の産鉄民であり、石屋(フリーメーソン)の上をいく鉄工、つまり「鍛冶屋」である。

話を整理すると、ノアから全神権を授かったセムの末裔が築いた世界最古の文明「シュメール王国」は、不思議な力を持つヒッタイトの源泉である「龍(ウシュムガル)」が全神権を持ち、ウシュムガルの指令によって「王(ルガル)」 が国を治めていたとものと思われる。
そして「龍」に対抗する「牡牛」が登場し、古代史を更に複雑怪奇にしていくのである。
posted by 夢蛇鬼 at 02:12| Comment(4) | 日本人のルーツの検証 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すごくお詳しいですね!
日湯同祖論のサイトがあまりなくて、探していました。
また読んだら感想書きますね!
Posted by すみれ at 2011年12月02日 23:59
すみれさん、初めまして。
私の日ユ同祖論は通説とはかなり内容を異にしていますが、宜しくお願いします。
Posted by 夢蛇鬼 at 2011年12月05日 04:02
すごいです。解析がんばってください。
Posted by 通りすがり at 2013年12月11日 02:05
悪王子 夢蛇鬼 様
はじめまして、Adachi と申します。
偶然、このサイトを見つけ常識を超えた分析力にびっくしました。
日本の南朝・北朝問題が南北問題とも関係があるような? また、日本の縄文文化と弥生文化がもっと古代からの系譜があるような模索をしていたところ、旧約聖書の物語に宇宙との関係が記されていて、あまりにも急な展開なので右往左往しています。 最近 @ 「私は宇宙人」の著者ティアランさんからの励ましのメッセージ 2014年4月7日―なるものを見つけ、おおよその宇宙での出来事が理解でき、その中の二ビルっちの歴史物語を A愛知ソニア 連載 「イナンナが語る ニビル星人アヌ一族の物語」 で偶然見つけ、異次元には時空間がないので、今この瞬間起きている出来事(実際は全く隠されている部分が多い)が同時に進行しているような気がしてきました。 しかし歴史情報が為政者・権力者によってあまりにも偏向されているように思え、相当の能力がなければ、この宇宙との関連を分析し全てを白日の下に明らかにすることができないのではないかと諦めかけていましたが、このサイトをみて 悪王子 様から この壁をこえる為のヒントが得られるのではないかと思いご連絡致しました。今新しい世界の創造がなぜ日本から始まらなければならないのかぜひご意見をお聞かせください。

Adachi



Posted by Adachi at 2014年05月03日 12:46
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